平和を欲するならば戦争を知れ~偽りの平和運動~
唐突ですが
私は選挙のとき、大抵は共産党に入れます。
もちろん共産党員ではないし、支持者でもないです。
理由は「バランスはとられなければいけない」という理由だけです。
如何な政党でも、一党独裁政権というものは必ず国を疲弊させます。反対意見がないからです。
先の大戦がそうでした。まともな反対勢力は存在せず、世界最大の国力を持つ国家に喧嘩を吹っかけボロ負けしました。
まぁささやかですが、自民党政権に対するバランスってことで投票してます。
以前、2ちゃんの何かのスレで、現職自衛隊員が「平和運動団体をどう思うか?」という問いに次のように答えていたのが印象的でした。
「あの人たちがいるから簡単に戦場に送られないでいる、と思うことにしている」
アンチテーゼとして、バランスの一方として、いわゆる極左集団でもない限り、平和運動って大事ではあるんです。
が、
その運動が『ある程度の支持を受けている』というのが大前提です。
平和運動だったらでもどんな団体の意見でも受け入れられるというものではありません。
例えばオウム(現アーレフ)が「戦争反対」「核兵器反対」と主張したところで「お前が言うな」と相手にされませんよ。
信用度ってやつっすな。
では、現在の平和運動団体はというと・・・
信用度絶賛落下中連日ストップ安
という状態です。
なんでか?
私は「彼らの平和運動は幻想である」と常々思っております(いや、平和運動ごっこ、か)。
戦争=悪である以上、軍隊も悪である。悪であるから考えるのもおぞましい。
この思考は嫌いだから嫌い、バカボンのパパだからパパなのだとまったく同じです。
その結果どうなるか。
いい例が去年ありました。
1つ目はアメリカ海軍駆逐艦ラッセルが高知の宿毛港に入港した事例
2つ目はフランスのフリゲートが来航した事例
まず1つ目からお話しましょう。
アメリカのイージス艦が四国の民間港に来航した時、平和団体の皆様が煽った文句の一つがが
「核搭載の疑いがあるから入港反対!」
でした。トマホーク搭載可能=トマホークは核搭載タイプがある=核をつんでいるに違いない
というあまりに素敵過ぎる3段論法です。
これを聞いて最初は頭抱えて、次に怖くなりましたよ。
これ、調べれば以下の3点がすぐ分かるんです。
・TASMの退役により、トマホークのミッションは対地ミッションに限定されている。
・そして中距離核戦力(INF)全廃条約によりTLAM-N(核搭載タイプ)は1991年まで撤去が完了している。
・そもそもアメリカ海軍は水上艦から戦術核兵器を全廃してる
この辺、ネットでも散々指摘されてましたよねぇ。だから頭抱えたんです。お前らちっとは調べろよ、と。
でね、まぁ「そんなの嘘に違いない」「半島有事に備えてこっそり積んでいるに違いない」と主張するのはかまいませんよ。可能性は0にはならないんだし。
でもね、核搭載疑惑があるってなら、そりゃ運動の方向が違うだろうに。
核トマホークが搭載されていたら条約違反です。日本が核持ってました、というのと同じぐらいインパクトのある国際政治レベルの話です。
それがなんで「入港ハンターイ」になるの?
訴えるなら国連でしょ?
何?よくわからない?
じゃたとえ話をしましょう。
あなたはレストランの店長です。ある日ヤクザが来店しました。
「当店は暴力団関係者はお断りしています。お引取りください」
これは真っ当な行動です。しかし
「あなたはヤクザだ。ヤクザだから拳銃・ドスを持っているかもしれない。っていうか絶対持ってる。うちは拳銃・ドス持込禁止だから帰ってください」
いや、そう信じるならその前に警察呼べよ!
ってことです。
怖いですよ。彼ら自分らの運動の方向性が間違っているとは考えてないんですから。
もう一つが、去年は函館にフランス海軍のフリゲートが来航した時。
これまた非核団体様が反対運動。
あのねぇ、これ海外警備に使ってるフリゲートよ?、核なんて積めないし積んでないのよ?
どこから蛆がわいたような妄想が出てくるわけ?フランス海軍って戦術核持ってたっけ?
例えると
ここにフランス軍の『自転車』がある。フランスは核保有国である。よってこの自転車には核が積んでるに違いない。
もう無茶苦茶ですよ。
なんでこんなことになるのか?
平和運動ゴッコにすぎないからです。
平和は絶対正義である。だから平和の対極にある戦争は悪である。戦争をするための兵器は悪だ。それについて考えるのも悪だ。
完全に思考停止。
私は幻想としての平和運動だと思っています。
ブログやHPで記事をアップしても、当然掲示板やコメント欄から現実がやってきます。そして最初は削除、最後は掲示板閉鎖かコメント欄停止です。でないと幻想が崩れるから。だってそうでしょ、コメント欄で「いや、核トマホークは退役してますから」なんてURL付でカキコミしたら、「アメリカの軍艦は核をもっているはずだ」という幻想が崩れるんですから。
そしてコメント欄もなく掲示板もなく、「ふー、ネット右翼の攻撃から身を守ったぜ」と呟いて、身内の運動家と「どうしてみんな僕たちの運動に参加しないのだろう。僕たちは『真実』をしっているのに」と傷を舐めあうのです。
まれに専門家を呼んでちょっと勉強しようという奇特な方もいます。マガジン9条とか。でも呼んでくるのは戦史研究が専門の方とか、怪しい軍事評論家とか、自分たちに都合にいいことしか言わない専門家ばかり。江畑氏や小川氏を呼んでキッツイ事を言われる、なんてことは絶対しません。
(余談ですが、マガジン9条の『教えて!山田先生:短期集中軍事講座』とそれに対する週刊オブイェクトさんの突っ込みは大爆笑もの)
悲しいかな80年代まではこれでなんとかなりました。情報の収集と共有はローカルなものだけだったからです。
高知にイージス艦が入港する。テレビや新聞で反対運動が報道される。核が積んであるのかもしれないと思うけど詳しくはわからない。図書館で専門書漁らないとわからない。隣人に軍オタがいるわけでも国際政治に詳しい識者がいるわけでもない。友人と集まって「アメリカの軍艦がくるんだって」「核もってるかもしれないんだってね」「ふーん怖いねー」
ここでお終い。
しかし、90年代以降ネットの発達が状況を変えました。
ニュースを見る。ネットの掲示板を見る。世界中から詳しい人が解説してくれる。検索する。アメリカ海軍はすでに戦術核を撤廃している記事がごろごろでてくる。フリゲートとはなんぞやというマニア向けサイトもごろごろ出てくる。アメリカ海軍のHPから、それこそ艦のHPまである。なんだ、連中の言っている事の方がおかしいじゃん!
明日の新聞の一面に「安部総理ホモ疑惑!小泉攻め阿部受け?」なんて記事がでたら蜂の巣突いたような騒ぎになるでしょう。
でも、その新聞が東スポなら「東スポとばすなー」でおしまい。
今、これと同じことがおきています。
まもなく憲法9条が改正されようとしています。
それに対する護憲派平和団体の皆様の方が、実は正しいのかもしれない。
でも、もう誰も護憲派平和団体の皆様の事なぞ信じませんよ。
だって知識なし妄想で行動してましたってことがバレバレなんですから。
そうするとどうなるか?ストッパー役としての平和運動がなくなり、バランスは崩れます。資本主義民主主義の国政であっても国民総右翼化では一党独裁と変わりませんがな。じゃあその先にあるものは?前回は戦争で、ボロ負けして、国土は焦土になりましたが。
護憲派平和団体の皆様、憲法改正で将来日本は戦争するかもしれません。でもね、その責任はあなた達にあるんだよ。あなたたちが現実から逃げ続けた結果がこれだ。
最後に、長いですがとある映画の台詞でもってこのエントリを終了したいと思います。なぜならこの台詞が戦後の日本の平和運動を端的に表していると思うから。
「平和。俺達が守るべき平和。だがこの国のこの街の平和とは一体何だ?かつての総力戦とその敗北、米軍の占領政策、ついこの間まで続いていた核抑止による冷戦とその代理戦争。そして今も世界の大半で繰り返されている内戦、民族衝突、武力紛争。そういった無数の戦争によって合成され支えられてきた、血塗れの経済的繁栄。それが俺達の平和の中身だ。戦争への恐怖に基づくなりふり構わぬ平和。正当な代価を余所の国の戦争で支払い、その事から目を逸らし続ける不正義の平和」
「そんなきな臭い平和でも、それを守るのが俺達の仕事さ。不正義の平和だろうと、正義の戦争より余程ましだ」
「あんたが正義の戦争を嫌うのはよく分かるよ。かつてそれを口にした連中にろくな奴はいなかったし、その口車に乗って酷い目にあった人間のリストで歴史の図書館は一杯だからな。だがあんたは知ってる筈だ。正義の戦争と不正義の平和の差はそう明瞭なものじゃない。平和という言葉が嘘吐き達の正義になってから、俺達は俺達の平和を信じることができずにいるんだ。戦争が平和を生むように、平和もまた戦争を生む。単に戦争でないというだけの消極的で空疎な平和は、いずれ実体としての戦争によって埋め合わされる。そう思ったことはないか。その成果だけはしっかりと受け取っておきながらモニターの向こうに戦争を押し込め、ここが戦線の単なる後方に過ぎないことを忘れる。いや、忘れた振りをし続ける。そんな欺瞞を続けていれば、いずれは大きな罰が下されると」
「罰? 誰が下すんだ。神様か」
「この街では誰もが神様みたいなもんさ。いながらにしてその目で見、その手で触れることのできぬあらゆる現実を知る。何一つしない神様だ。神がやらなきゃ人がやる。いずれ分かるさ。俺達が奴に追い付けなければな」
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コメント
現代兵器の本当の性能,利点,欠点は一部の軍人間と開発者などにしか
分からないし、批判するのに全部を知ってる必要も無い。
軍事オタクはカタログスペックを知っているというだけ。
投稿: 仮0964 | 2007年5月 7日 (月) 18時39分
>仮0964氏
そんなもん分からなんでも、基本的な”性質”と他との大まかな”比較”ができるなら問題ない。
全ての物事は相対的なのです。
あと、軍事ヲタと言っても、それこそ貴方がおっしゃる様なカタログスペックだけのぺーぺー軍ヲタから、「あなたどこの研究機関の方?」と言いたくなる様な軍ヲタまで居ます。
投稿: 通りすがり | 2007年5月30日 (水) 12時10分