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2011年6月14日 (火)

核時計零時1分前

軍事板常見問題&良レス回収機構の書評で知って、思わず密林さんで即購入。
うん。¥3,255は酒の力がないとクリックできんなw
だがしかし。
書評で読んだ通りの、素晴らしいというか、いわゆる『当たり』でした、この本は。
1962年10月27日、偶然全面核戦争になりえたし、なる確立の方が高かった。ならなかったのは偶然にすぎない、といった感じですかねぇ。
当時の核弾頭は厳密な安全装置(暗証番号入力しないと発火しない、とか等)なしでね。誰でも勝手に撃つことができました、

アメリカ
キューバに核はあるかも。でもあってもスカッドだしへーきへーき

実際:MRBMにも核装着済み。核爆弾に核弾頭の巡航ミサイルも配置済み。特に巡航ミサイルはグアンタナモに標的を定めて、配置についていた。

ソ連
うーん、あともうちょっとで作戦完了だったのに。まぁ、後は交渉で色々引き出すかぁ。戦争はやだしね。あ、核弾頭積んだ貨物船はさっさと戻ってこーい。あと一応モスクワから命令無い限り核は撃つなよ。

実際:偵察機がウザイので、ゲバラとキューバ駐留ソ連軍とで組んで、U2撃墜。低空偵察のRF-8に対してはキューバが勝手に対空砲火ぶっ放してた。こと偵察機にとって、キューバ上空は戦争状態だった。
また、アメリカ海軍が『爆雷使ったらマジでシャレにならんので、演習用の音響弾使うから、そっちも伝達しておいてね』と連絡が来てたのに無視。結果、あるディーゼル潜の艦長はもうだめぽとばかりに錯乱して核魚雷ぶっ放すところだった。撃たなかったのは核弾頭を管理する士官が『もちつけ』と押さえたから。

あっはっは。
エスカレーションと簡単に言いますが、キューバ危機が危機で終わったのが人間のコントロールの結果ではなく、偶然に過ぎなかった、というのがよくわかります。
フルシチョフがミサイル撤去を決断したのも、従来の説ではなく、KGBの情報で『ケネディがTV演説するらしい→この時点で演説って、キューバ侵攻しかねぇよな→核戦争になるじゃん』というのが真相だったり。
そのKGBはKGBで情報集めろとせっつかれ、政権内部にコネがありそうなアメリカ人ジャーナリストに接近して、情報聞き出すテクニックとして『侵攻しない宣言で手打ちでよくね?そこんとこどう?聞いてみて』と伝えたら、ホワイトハウスは『なにこれ秘密交渉?』と勘違いして混乱の元になったり、ジャーナリスト同士の会話を上に上げていく段階で、次第に『アメリカはキューバ侵攻を決意』の重大情報に化けていったり。
どうもみても詰みです。本当にあり(ry
詰みにならなかったのは、ケネディとフルシチョフが指導者だったから助かった、他の人間だったらまずアウトだった、と述べられてますが、これには同意。
フルシチョフはスターリングラードやハリコフの最前線で戦争を経験してますし(よく考えると得るとスターリングラード戦とハリコフ戦の、それも前線経験者の国家指導者ってすげぇな)、ケネディも魚雷艇指揮官として戦争体験があります。二人ともいわゆる兵士として戦火をくぐっているわけで、その経験が危機回避に繋がったというのは頷けるものがあります。

あとがき入れて600ページ超ですが、著者は『THE LONGEST DAY』のように書きたかったそうで、そのため大変読みやすく出来ています。

余談。
キューバ人が駐留ソ連軍を見て一言
『どこをどうみても貧乏だった』
よっぽど酷い服装だったそうですが、それはそれで見たいとおもったりw


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