無防備マン応援連載

2006年6月24日 (土)

無防備都市を実践してみよう!あとがき

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無防備都市を実践してみよう!あとがき


くだらないあとがき1
こんな裏設定(脳内設定)があったりします。

・機動部隊が帰港した後、アメリカ海軍は自衛艦隊の艦砲射撃を防ぐため、機雷を撒いていったりしてます。
・海上自衛隊には4隻の新鋭イージス艦が就役しています。それぞれ「だいみょう」「はたもと」「ろうにん」「てあきやり」です。
・海上自衛隊は第1護衛隊群、第2護衛隊群にそれぞれヘリ空母が就役しています。艦名は「とうごう」「やももと」です。
・結局ガチンコで日米戦にならないのは、アメリカは自衛隊の戦力を、終戦後同盟軍としてすぐ使うので温存したかったのと、日本側はシミュレーションで相打ちの結果しか得られないので、攻撃を控えていたりします。つまり、先の先まで読んで、こりゃ駄目だってんで待ちの状態です。


くだらないあとがき2
後の中○軍の沖縄侵攻ですが、最初の予定では生き残りが竹富町に流れ着き、無防備都市を宣言して両手を広げて歓迎したところ虐殺される、というストーリーでした。ところが沖縄本島から竹富町があまりにも遠いので、この話はなくなりました。
また、時間がなく面倒なので端折りましたが、沖縄で虐殺されたのはいわゆる反戦・平和の皆さんで、武器を持たず笑顔で迎えれば絶対撃たれない、などとぬかしたところ、その態度を怪しんだ中○兵から撃たれ、連鎖反応で虐殺が始まった、という設定だったりします。
また、その光景をCNNで報道されてしまったので、国家主席は一連のできごと全部を一部の軍の暴走に仕立てあげ、のらりくらりと補償問題から逃げていたりします。


くだらないあとがき3
脳内では自営業氏の某漫画と、侵略会社が地球を侵略する某ライトノベルをイメージしてました。自営業氏の某漫画はキャラクターが一部でてます。ああ、バッド・カルマを出したかった・・・・・・。
某ライトノベルはストーリー構成で役立てていました。

ちょっと真面目なあとがき

無防備地域条例を目指している人たちが巧妙に、というか勘違いしているんでは?と思われることが1つ、また忘れてるんでは?ということが1つあります。
1つは、無防備都市・地域宣言をしたからといって占領されない、その地域で戦争が行われないという宣言ではありません。都市や地域を戦闘することなく明け渡す宣言が無防備都市・地域宣言です。
連載した話でもわかると思いますが、戦時に宣言したら当然占領されても文句いえません。無防備宣言したからといて敵がこない宣言ではないのです。
そしてもう一つは、この運動には宣言後の考えが抜け落ちています。
まず、占領されてもジュネーブ条約で保護されるから民間の被害は無い、というのは明確な間違いです。ジュネーブ条約を破ったからといって即座におまわりさんが逮捕してくれるわけではありあせん。明確な抑止にはならないのです。
もちろん、戦後に問題にはなります。戦争に勝てばという条件つきで。負けたら追求は難しいでしょうねぇ。太平洋戦争敗戦後の占領直後をみて御覧なさいな。
また、規模の大小はあれ略奪・接収はまずあるでしょう。
なぜなら古代から私略は兵の神聖な権利だったからです。というか、簡単な手当て代わりですね。おおっぴらに略奪することは少なくなりましたが、それでも『兵士のお土産』漁りは今でも続いています。一番簡単な古来からの士気を鼓舞する手段ですから。
前の戦争でアメリカ兵がお土産に仏壇や鎧兜持っていっちゃったなんて話、良く聞くでしょ。
それから接収。作戦上の目的での接収は間違いなくあります。先進国の軍隊であれば、最近はきちんとお金を払うのが普通ですが、それでも接収する事じたいは可能です。
面白い話があります。
湾岸戦争で多国籍軍が補給物資輸送のため、現地で多数のトラックが必要になりました。もちろんお金は払ったのですが、なにせ巨大な需要ですから業者は値を吊り上げます。
そこでアメリカ軍は一計を案じました。ある噂を流したのです。いわく
「アメリカ軍はトラックを接収するらしい」
おかげでレンタル料は暴落。通常料金で借り上げましたとさ。
つまり、作戦上の目的による接収は十分ありうるということです。
もう一つの問題。それは無防備地域・都市条例を推進している方たちは占領後の事をまったく考えていないようです。
つまり戦局が変わって、占領側の軍が劣勢になってきたら?という問題です。
何せ負けかけているわけですから、敵も必至です。悠長にお金を払って接収をなんて事にはなりません。まして占領軍から見れば敵国の都市です。
沖縄戦のような民間人を巻き込んだ事になってもおかしくありません。
いくら無防備地域・都市を連呼しても、負けかけているのになんで占領した都市を、簡単に敵に明け渡さなければいけないのか?
だから条約には「その都市・地域を守備する軍の同意が必要」とあるのです。

さて、ここでちょっとした想定をして見ましょう。
まず、想定する世界は誰もが必ずジュネーブ条約を尊守する世界です。そして日本全国の市町村は無防備都市条例を設けています。この、無防備地域・都市条例を推進する方々にとって夢のような世界が実現したらどうなるか?以下のようなことが可能になります。
まず、北朝鮮が日本に宣戦布告。同時に新潟港に接岸していた貨物船に、隠しておいた歩兵1個中隊と車両を上陸させます。
宣戦布告と同時に、条例により日本全国で自動的に無防備地域宣言は発効します。
まず、陸上自衛隊はまったく行動できません。唯一できるのは航空機・艦船による国外脱出だけです。海上自衛隊は海上にある艦船のみ行動できますが、港に戻って補給はできません。港に接岸している船も。出港はできますが、
航空自衛隊も国外への飛行のみ可能ですが、それ以外は出来ません。
開戦と同時に自衛隊は無力化されます。
つまり、たった1個中隊で東京まで移動して降伏文書調印式にサインさせる事が可能です。
そして、その後何ができるか?
正式に宣戦布告している以上、賠償金を得ることが可能です。金銭・領土・資材・人材で。
それから有利な為替レートの設定もできます。
いっておきますが、国際法上なんの問題もありません。
これが無防備都市運動条例化の正体です。
無防備都市というオプションを紹介するのは何の問題もありません。
でも、それを条例化して、有事に強制的に発効させるというのはまさしく狂気の沙汰。
どうみても外患援助です。
無防備マンの作者はそこまで理解しているのでしょうか?

それでは、あとがき含めて14回の連載に付き合ってくれた皆様、本当にありがとうございました。

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2006年6月23日 (金)

無防備都市を実践してみよう!最終回

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無防備都市を実践してみよう!最終回

エピローグ

あの日米停戦から3年。
仙台市は内戦を繰り広げていた。需要あれば供給あり。
世界中から武器商人が武器を供給し、3派に分かれたそれぞれの正義を補強した。かくて流血がやむ事は無し、である。
国連は最初インドネシア軍をPKOとして投入した。次がマレーシア軍。最後に、今仙台に駐留しているのがパキスタン軍。
なぜ3回も駐留軍が変わったかというと、仙台PKO任務は歴代PKOの中でもトップクラスの損害を国連に与えていたからだった。この3年間での戦死者185名。
国連ですらさじを投げかけた今年、再びアメリカ軍が帰ってきた。
結局あの大統領は落選し、ヒラリー・クリントンが大統領に就任した。彼女の公約は強いアメリカの復活とアメリカの責任を果たす事。いうなれば前政権の後始末、ケリをつける事を公約にして当選したのだった。
7月にはデルタフォースの分遣隊が仙台空港に駐留し、8月にはアメリカ陸軍第75レンジャー連隊の一部がやってきた。
国連の承認を取り付け、仙台の治安の回復はアメリカ軍主導で行われる事になった。
時に説得し、時に武力で威嚇し、和戦両様の策は効を奏し始めた。
まず、『仙台商人連合』が停戦に同意し、続いて『自由市民同盟』が停戦に同意。両者は和解するまでになった。
だが、最初は国連軍の駐留を喜んでいた『仙台無防備都市完遂会』はアメリカ軍がくると態度を硬化。アメリカ軍を攻撃してくることは無いものの、残りの2つの組織が停戦に合意したことを逆手に攻撃を強め、市内の7割を占領するにいたった。
事態が悪化したものの、敵が一つに絞れてきたため、アメリカ軍はついに実力行使を多用するようになり、それはますます『仙台無防備都市完遂会』を追い込んでいった。
ちなみにアメリカ兵は『仙台無防備都市完遂会』というネーミングが理解できないらしく、単に『市長派』とか(アメリカ軍兵士がつけた護憲市長の仇名が「将軍」だったことから)将軍派と呼んでいた。
そして10月3日。密告者のタレこみにより『仙台無防備都市完遂会』の幹部会議が仙台市役所で行われる事をつかんだアメリカ軍は、幹部の逮捕を計画。仙台市役所に昼間の急襲を試みた。
仙台空港からリトルバード・ヘリとブラックホーク・ヘリが、レンジャーとデルタ・ボーイズを載せて離陸。欺瞞のため海岸線を飛んでから地上の車両部隊と共に市役所を急襲した。
途中までは上手くいっていた。
ほんの1時間で終わるはずだった。
だが、ヘリパイロットの視界にこちらに向って飛んでくる白い煙が見えた。

「アールピージーッ!」

一瞬にして空は白い煙を吐くロケットで一杯になった。
そしてついに、1機のヘリが被弾し、クルクル回転しながら降下していく。

「ブラックホーク・ダウン!ブラックホーク・ダウン!」

後に第2次ブラックホーク・ダウン事件と呼ばれるこの戦闘で、アメリカもとうとうさじを投げた。
ここまでして無防備とか平和を唱えながら殺戮している連中を、何故助けなければならないのか?

開戦前の仙台市の人口、100万人。
現在の人口13万人。
いなくなった人口87万人のうち、避難した者13万人。戦闘で命を失った者27万人。
餓死・病死者、47万人。

皮肉なのは戦後アメリカ国防総省がまとめたレポートである。
曰く
「仮に仙台が無防備都市を宣言してなかった場合、確かに市街戦が行われただろう。しかし、日米戦で証明された自衛隊の錬度からして、おそらく我々は大きな損害を被っただろう。また、即座に北海道の部隊が反撃してきたことを考えても、仮に東京まで到達してもそこで包囲されることになっただろう。もし、仙台市が無防備都市を宣言せずに、市街戦が発生していたら、市民の被害は5万人以下ですんだはずである」

無防備都市宣言の代価はあまりにも大きいのもだった。
こうして今も、仙台は神に見捨てられた地として血を吸い続けている。

終(次回はあとがきです)

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2006年6月22日 (木)

無防備都市を実践してみよう!第12回

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無防備都市を実践してみよう!第12回

6月8日 08:00 仙台市内 仙台国○ホテル 第21軍司令部

ようやく仮眠をとりつつあったメルダース中将は、副官の叫ぶ声で叩き起こされた。
「何事だスティーブ!自衛隊の攻撃か?」
「いえ、市民達が自動小銃で」
くそう、ついにレジスタンスか。日本人はおとなしいと聞いていたが、やる時はやるのだな。さすがサムライの国だ。
「わかった。直ぐに鎮圧しろ。レジスタンスは最初の対応が肝心だ。大兵力で敵対勢力が集中しているうちに叩く!」
「いえ、レジスタンスではありません」
「なぬ?」
「市民同士が打ち合ってます」
「はぁ?我々が手を助けたのか?」
「いいえ」
「我々に向かって撃ってくるか?」
「いいえ、市民同士の内輪争いのようです」
「・・・・・退避!巻き込まれるな!近寄るな!あとで何言われるかわからん。我々とは関係ないことをハッキリさせろ!」
「イエス・サー!」
「それと情報収集したらワシントンに緊急連絡だ」


6月8日 09:00 名取区と岩沼市の境、

岩沼側に布陣している第1師団第1連隊、その第1中隊長は武者震いを隠せなかった。
アメリカによる突然の奇襲。宇都宮集結と悲壮感漂った塹壕での待機。しかし戦局は変わり、我々はとうとう敵を仙台に追い詰めた。今日は総攻撃の予定である。
見ていろ鬼畜米兵め。大和魂を見せてくれん。ええい、総攻撃命令はまだか。
その時だった。
タタタタタタン。
銃声!
周囲を見渡すが、誰も撃たれていない
おのれ鬼畜米兵め!きっと無辜の市民を虐殺しているに違いない。今こそ武人の本分を尽くす時!
「中隊ぃー、突撃に移れぇぇぇっ!」
うおぉぉぉぉーっというときの声を上げて第1中隊は独断で突撃を開始した。
ここは市の境界にあたる。国道は立派だが周囲には田畑や空き地がほとんどだ。
「敵弾!」隊員が叫んで、皆一斉に地べたに伏せる。中隊長は近くの畑のあぜ道の陰に隠れた。
「応戦せよ!」
中隊長は命じた。が、だれも撃たない。
「どうした!」
隣にいた隊員が申し訳なさそうに答える。
「あのぉ、撃ってくるのは日本人ですが・・・・・・」
「ハァ?」
双眼鏡をケースから取り出して、頭を注意しつつあげると、
確かに日本人だ。それも工事用のヘルメットを被っている。
はて、何か勘違いしているんじゃないだろうか?いや、そうに違いない。
そう判断すると中隊長は背中に背負った特大ハンドマイクを構えた。
「市民のみなさ~ん、安心してくださ~い!私達は自衛隊ですー!」
が、帰ってきたのは理解を超えた罵声と銃声であった。
「やかましいっ!仙台は無防備都市だっ!」
「戦争反対っ!憲法違反の自衛隊はカエレッ!」
な、なんだこの状況は?
状況を咀嚼するまもなく、今度は右手から銃声が聞こえた。
観察すると、やはり工事用ヘルメットを被り、全員がはっぴを着た集団がさっき罵声を浴びせた集団に攻撃を仕掛けている。
数分間状況をよっく咀嚼して、ついに気がついた。
最初のはアカに感化された売国奴だ。今右手から攻撃を仕掛けているのが立ち上がった正しい市民に違いない。よしっ。
再び特大ハンドマイクを構える。
「そちらの市民のみなさーん、今から加勢しますから、一緒にアカを撃滅しましょう!」
だが、帰ってきたのは、さらにさらに理解を超えた罵声とこちらに向かって放たれる銃弾であった。
「うるせぇ!さっさと負けろ自衛隊!」
「さっさと降伏しろっ!」
「米軍負かしたら承知しねぇっ!」
なんなんだぁっ!この状況はっ!
中隊長の精神は深い闇の中に沈んでいったのであった。


6月8日 10:30 中○ 北京 国家主席の執務室

秘書官「主席、例の事態が発生したと、瞑耀から連絡が入りました」
国家主席「よろしい。計画『孔明5621』を実行せよ」


6月9日 08:00 陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地 中央指揮所

翌日。
事態は混迷を深めていた。昨日から発生した仙台市内の銃撃戦は今も続いており、昨日から一体何が起こっているのか情報収集で手一杯であった。
総攻撃は一時中止され、この件に限ってはアメリカ第21軍司令部と情報交換さえ行われた。
その結果、ようやく判明した事態は予想を上回る奇怪なものであった。
いずこから武器が入り込み、『仙台無防備都市完遂会』『自由市民同盟』『仙台商人連合』の三派に別れ、それぞれ三つ巴の市街戦を行っているのである。例外は名取地区南側で、ここだけは自衛隊が近づくと『仙台無防備都市完遂会』と『仙台商人連合』が攻撃をかけてくるのである。ただし、連携の取れた攻撃ではないので無言の合意らしい。
「なんじゃこりゃぁ」首相は言った。

『仙台無防備都市完遂会』にとって『自由市民同盟』は戦争を招く反平和主義者、『仙台商人連合』は金さえ貰えれば戦争を受け入れる拝金主義者。

『自由市民同盟』にとって『仙台無防備都市完遂会』は仙台に戦争を招いた裏切り者、『仙台商人連合』はアメリカの勝利を願う非国民。

『仙台商人連合』にとって『仙台無防備都市完遂会』は戦争の長期化で自分達を破産に追い込む冷血集団、『自由市民同盟』は自分の事しか考えない利己主義集団。

ただし、名取地区では『仙台無防備都市完遂会』は自衛隊の戦闘阻止のため、『仙台商人連合』はアメリカが負けかねないので、共同して自衛隊に当たる。
という事らしかった。

「なんじゃこりゃぁ」首相はもう一度言った。
統幕議長も途方に暮れたようだ。
そこに、首相秘書官が入ってきた。
「先ほど中○大使館経由で通達がありました」1枚の紙を手渡す。
瞬時に首相の顔色が変わった。

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親愛なる日本国首相へ

拝啓
さて、沖縄は古来琉球王国という独立国でした。そして歴代の大陸の政府に朝貢してきました。また、文化面でも我々の沖縄への影響は数知れず、です。つまり沖縄は中○の領土ともいえるのです。それを日本政府は不当にも不法占拠してきました。
いまこそ正しい行動を起こす時と思い、私は軍に行動を命じました。
これから我が軍は沖縄に対し、領土回復のための行動を起こします。もちろん、これは正統な領土回復でありますから戦争ではありません。
もし我々に対し、何らかの攻撃が加えられたら、それはわが国に対する宣戦布告をみなします。そしてその結果生じる全責任は首相閣下にあることを通告いたします。
敬具
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続いて海上幕僚長が飛び込んでくる。
「首相、東シナ海にて中国の大船団をパトロール中のP3Cが発見しました。小船が中心ですが100隻はいます。沖縄侵攻と思われます!」
「うぬぬぬぬぬ」
「首相、ご決断を」
「命令、自衛隊は全力を持って敵船団を攻撃、これを撃滅せよ!舐めくさるにも程がある!」
「仙台はいかがいたしますか?」統幕議長が問うた。
「んなもん、ほっとけ」
「御意」
「それから、ホワイトハウスに電話会談を申し込め」


6月9日 12:00 東シナ海

計画『孔明5621』はアメリカが日本に侵攻し、日本国内でアメリカ・日本が身動きが取れない状態に陥った時に、隙を見て沖縄を奪取する侵攻計画である。
技術の差は明白であるので、その分を数でカバーする計画であった。
それが参加隻数140隻という数に表れている。実際には小型・中型船ばかりなので1個師団程度なのだが。
だが、首相の言うように『舐めくさるにも程がある』であった。沖縄に配備されたF-2改が搭載する80式改空対艦誘導弾がまず襲い掛かり、2回反復攻撃を加えたところで今度は第7地対艦ミサイル連隊の88式改地対艦ミサイル96発が襲い掛かる。自衛隊の誇るこの対艦ミサイルは世界でも最優秀の目標選択アルゴリズムを搭載している。大型目標に集中して命中したり、沈みかけている船に向ったりはしない。そのほとんどが小型・中型船であることを判別すると、ミサイルは綺麗に1発づつ命中していった。
結果、生き残ったのはわずか5隻。それも小型の遠洋漁船改造貨物船のみである。2個中隊、300名程度程度が沖縄にたどり着いたに過ぎなかった。
だが、このたった2個中隊が世界的な事件を起こす事になる。
名護湾から上陸した彼らは、そのほとんどが大陸奥地から徴兵された、自分の故郷以外の世界を知らない兵士達である。学校は小学校しか行っていないし、その小学校では徹底した反日教育を受けて育った。唯一の楽しみはTVで放映していた反日もののドラマ。
その彼らは、ここまで来る途中で、爆発する輸送船や戦友の最後を見ながらたどり着いた。神経が異常なまでに高ぶっていたのも当然であろう。
結果、翌日までに陸自に殲滅されるまで、住民を虐殺してまわる事になる。
そして、その光景はCNNで全世界に放送された。


6月9日 18:00

「こんにちは。大統領」
「おひさでんな、首相」
「さて、この度の騒動ですがそろそろ手打ちにしませんか?」
「そやな。だが、手打ちにしてどうするんや?」
「お互い大陸の脅威を受けている点では同じでしょう。同盟を結ぶ状況が到来したと愚考いたしますな」
「同盟は異存あらへん。だが、センダイはどないカタつける?」
「当然返してもらいますよ。勝ったのはこちら側だ」
「いーや、こっちはこれから予備役動員して増援を投入するところや。1ヶ月もしたら、実力で同盟結ばせるでぇ」
「では、そうしますか?」
「そっちこそええんか?なんだかんだいうても、大陸の脅威を直接受けているのはアンタや」
「試しますか?」
「・・・・・・なぁ、こっちの面子も考えてくれや。ここままセンダイを明け渡したら、世界中に負けたイメージが広がるやん」
「では代案をお持ちですか?」
「国連軍、PKOやらPKFでもなんでもええ。国連にセンダイ渡すなら即時停戦、同盟締結に異存あらへん」
「戦時中の被害などの各種補償は?」
「それはあとで話し合わんか?わしらは文明人や。ゆっくり話し合いで決めたらええ」
「いいでしょう、同意します。これで1個貸しですな」
「アンタ商売うまいな、かなわんわ」

続く

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2006年6月21日 (水)

無防備都市を実践してみよう!第11回

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無防備都市を実践してみよう!第11回

6月7日 08:00 国道48号線 折立交差点

折立交差点では二つの集団が対峙していた。方や無統制の避難民の集団約500人。方や統制が取れた仙台無防備都市の会500人。しかも無防備都市の会は何を思ったのか工事用ヘルメットに鉄パイプまで持っている。
山形側の道路をマイクロバスで封鎖し、その上に護憲は仁王立ちになって叫んだ。
「市民の皆さん、引き返してください!皆さんが避難する事こそがアメリカや政府の思う壺なのです。皆さんが避難したら、この街では戦争が始まります。皆さんと共に立ち上がって、断固、無防備都市を貫きましょう!断固平和を貫きましょう!ですから、直ぐ解散してください!ここにいる仙台無防備都市の会は、全員臨時採用の仙台市職員です。地方公務員です。もし、みなさんがそのまま進むなら、みなさんを公務執行妨害で逮捕せざるえません。私はそんなことはしたくない。お願いです。止まってください」
避難民はポカーンととした表情で、その場で止まってしまった。
ええと、市長の要請だから引き返さなければいけないのかな?でもなにか違っているような?でも市長に歯向かっていいのかな?公務執行妨害にはなりたくないよね。
この避難民の中にタロウという名の少年がいた。
彼は霞の目飛行場拡張で家を追い出された一人だった。仮設住宅への移動で家族をはぐれてしまい、気がついたらこの避難民に入っていたのだった。
彼の目の前には、無防備都市の為といって彼を家から追い出した、仙台無防備都市の会がいる。いったい何が無防備なのか?戦争を避けるため、なぜここまで戦争にあったような目に会わなければいけないのか?
市長の演説は続いている
「・・・・・・みなさん、解散してください!家に帰ってください!」
タロウ少年の中で、何かが切れた。
ふざけるな、家を取り上げて家に帰れだと?
「いいけげんにしろ!何が帰れだ!戦争に巻き込まれたくないから逃げようとしているだけじゃないか!その原因のアメリカ軍を無条件で受け入れたのは誰だ?あんたじゃないか!もう嫌だ!俺はあんたのいうことなんか聞けない。勝手に無防備していればいい!」
タロウ少年の、心の叫びだった。
それが合図となって、避難民がいっせいに市長に向かって罵声を浴びせた。
護憲は狼狽していた。混乱していた。
なぜだ、なぜ戦争しようとするのだ?平和が一番なのに何故だ?市民が仙台に残ってこそ戦争を防げるのに。
その瞬間、護憲は理解した。
こいつらは反平和主義者に違いない。仙台から逃げて仙台に戦争をもたらそうとしている反平和主義者どもめ。そんな悪い奴らには平和の為の正義の鉄槌をくださねばならない!
護憲は右手を高く振り上げた。
そして、一気に振り下ろす。
「突撃!反平和主義者どもを捻り潰せ!」


6月7日 13:00 仙台市役所市長室

折立交差点の市街戦は午前中一杯かかった。数は同じであれば統制が取れている方が有利である。鉄パイプと拳で避難民を市内中心部に追い散らした後、護憲は市長室のソファに横になって休んでいた。
「市長」朝、彼を起こした部下だった。「来客です」
「またスティーブンス中佐じゃないだろうな。だったら追い返せ」
「いえ、商工会議所会長がお越しです」
「なぬ?とりあえず通せ」
護憲と商工会議所会長の間に、ほとんど交流はない。一体何の用だろうか?
しばらくして70近い細身の老人が入ってきた。ブラックのスーツ姿はいかにも仙台経済界の重鎮である。
「これはこれは。今日はいったいどういったご用件で?」
「これじゃよ、これ!」
そういって、老人は内懐から1枚の紙を取り出した。
例の『補給物品受領書』である。
「これが・・・・・・・どうしましたか?」
「あの霞の目や市内各所の工事、それから昨日から急に増えた米兵。それらの支払いは全部これだ!」
「はぁ、なんでもアメリカか誰かが後で払いそうで・・・・・・」
「それだ!それが最大の問題なんだ!市長!あんたが今すぐ全部現金に換えてくれ!」
「えええええっ!・・・・・・しかし、戦争が終われば現金に・・・・・・・」
「いつ終わる!この前まで戦争は明日にでも終わりそうだった。だが米軍は戻ってきた。CNNの報道では連中負けかけているそうじゃないか?負けたら何時になったら現金になるか検討もつかん!」
「でも、アメリカが勝てば・・・・・・」
「いつだ!それがわからんから市内の商人を代表して来たんだ。いいか、中には今すぐ現金にしないと倒産する零細企業も多いんだぞ!」
「しかし市にはお金が・・・・・・・」
「換えれなければ、ワシら米軍に交渉・協力して直ぐにでも戦争を始めて、戦争に勝てとハッパをかけさせるぞ!」
「そんなぁぁぁぁぁ」


6月7日 13:00 仙台市役所市長室
会長をなんとかなだめて帰ってもらい、護憲は直ぐに首相に電話会談を申し込んだ。
仙台市にそんな金はない。何が何でも地方交付金を吐き出させなければ。
電話が繋がると、手短に状況を説明して支援を求めた。
「お願いします。このままでは戦争になりかねません」
「断ります」
「はぁ?なんで!」
「いいですか、6月2日 12:00をもって仙台は無防備都市としてアメリカ軍の占領を受け入れています。なんで自ら進んで敵の占領下になった市の面倒を見なければいかんのですか?」
「そ、それは条例で・・・・・・」
「それに、市内飛行場の拡張に市職員が協力しているそうではないですか。なんで敵に協力している市の面倒を見なければいかんのですか?」
「いや、あれは占領軍命令ですから、違います」
「では、何故拒否しなかったのです?」
「そ、それは拒否したら補償の問題とかいろいろ問題が市民にかかるわけで・・・・・・」
「そりゃそうでしょう。それが無防備都市を貫く代償でしょうな。まさか、望めば何でも手に入ると思っていませんか?無防備都市を貫くには何らかの代償が要るのですよ。もちろん逆の場合も」
「で、ですが戦争に負けたらそんな事言っていられますか?」
「戦争がどうなるか、まだ予断を許しません。そんな状態で言質を与る事はできません。ですから、しりません。後はどうぞご勝手に」
「そんなぁぁぁぁぁ」
護憲が『壊れた』のはこの瞬間だったかもしれない。


6月7日 18:00 仙台市内各所

この日、まったく同じ時間に、まったく違う主張の団体が集会を開く事になった。

仙台市民会館
壇上で護憲は熱弁を奮っていた。
「みなさん、平和を愛するみなさん。我々は断固無防備都市を貫き、断固として無防備都市を完遂しなければいけません。それこそが戦争を防ぐ唯一の道なのです。邪悪な反平和主義者どもや、お金さえ貰えればいいという邪悪な拝金主義者どもを、断固として排除しなければなりません。その為に私は会の名前を『仙台無防備都市完遂会』と変え、平和のために邁進する所存です。みなさん、一体となってこの聖戦を戦い抜きましょう!」
嵐のような拍手。
静けさが戻るのをまって演説を再開しようとした時、一人だけの拍手が響いた。
「すばらしい!見事な演説です!」
一人の若い男、細身だが体は引き締まっている。ダークスーツに真紅のタイ。オールバックの髪に横長の切れ上がった細い目。男の背後には、木箱を積んだ台車を押す男達が続く。彼らもダークスーツに真紅のタイ。
「失礼ですが・・・・・・どちらさまで?」
「おお、申し遅れました。瞑耀と申します。貴方達の活動と主張、そして理想に心から賛同するものです」
「はぁ・・・・・・」
「私には大した事が出来ませんが、少しだけでもお力になりたいと思いまして参上したしだいです」
そういって瞑耀は左手を上げた。後ろの部下が台車を押してくる。台車の木箱には・・・・・・

中国産しいたけ
と焼印されている。
ホケッとしている市長を尻目に、開梱作業を続ける瞑耀の部下たち。
蓋をバールのようなものでこじ開けると、でてきたのは・・・・・・

やっぱりシイタケ。
「あの、これは・・・・・」と言いかけた護憲の口を、腕一振りで止める瞑耀。
椎茸を掘り出して出てきたのは・・・・・・

AK-74アサルトライフル。

「ええっ!えええええええっ!」
「市長、どうぞこれをお使いください」
「いやっ、そのっ、これはっ」
「何を臆するのです。昨日は敵は丸腰でした。でも、明日からは鉄パイプで武装してくるでしょう。貴方達のように」そう言って瞑耀は観衆を見渡した。「貴方には二度目はないのです。最初で失敗したら、この仙台で戦争がはじまります。いいですか、これは邪悪な反平和主義者どもや、邪悪な拝金主義者どもを叩き潰す正義の拳なのです」
「しかし、仙台市は無防備都市で・・・・・・」
「なにをおっしゃる」瞑耀は出来の悪い冗談だ、という顔をした。「占領軍に向けるのではありません。邪悪な市民に対して使うのです。占領されても警官は治安を守る為に拳銃を持っているでしょう?まして貴方達はもう市の職員になっている。何も、問題は、ありません」
護憲は思った。
そうなのか?そうか?そうだ!無防備都市を貫くには力が必要だ!
「・・・・・・瞑耀さん、ありがたく使わせていただこう」



同時刻、仙台市体育館ではタロウ少年がリーダーとなって結成された避難民主体の団体『自由市民同盟』が、仙台市勤労者体育館では商工会議所主体の団体『仙台商人連合』が旗揚げを行っていた。
もちろん、瞑耀の部下が同じような事を言って『椎茸』の木箱を開けていた。
「仙台市を正しい市民の手に取り戻すため、邪悪な拝金主義者を蹴散らすため」
「役立たずの市長を引きずり降ろし、政府と直接交渉する為、邪悪な個人主義者を蹴散らすため」
そして、三者三様ではあったがよろこんで『贈り物』を受け取ったのである。

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2006年6月20日 (火)

無防備都市を実践してみよう!第10回

無防備マン応援連載
無防備都市を実践してみよう!第10回

6月6日 10:00 仙台市中心部 霞の目飛行場

接収は10:00から始まった。近隣住人の家を市職員一人と警官、そしてアメリカ軍兵士が一組になって回る。内容は昨日から仙台市内のローカル局が放送していたので説明の手間は省けた。くってかかる者も当然いたが、アメリカ兵の銃口を見ると大人しくなった。
問題なのは人手が圧倒的に足りない事だった。
住民の移動と仮設住宅の建設もあるし、普段の日常業務もこなさねばならない。
護憲は名案を思いついた。
支持母体である仙台無防備都市の会の支援者を、臨時の市職員として採用したのだった。
こうして接収作業はなんとか進んでいたが、さらなる事態が待ち受けていたりするのだった。


6月6日 12:00 陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地 中央指揮所

「参りましたな、まさか米本土からF-22がやってくるとは思わなかった」と統幕議長が言った。
アメリカ軍の退却に伴い、南から第1師団、第12旅団、北からは第7機甲師団、第2師団が仙台を包囲しつつある。「これで空はこう着状態です。後は空母がいなくなったあとの自衛艦隊の艦砲射撃が頼りですが、砲撃というものは面制圧兵器ですから仙台市を瓦礫の山にすることになります」
「やむ終えまい」首相が言った。「短期でこの戦争を終わらせるにはそれしかなかろう」
「となると、住民の避難が問題ですな」
「それは現地のアメリカ軍も同意するんじゃないか?連中も民間人を巻き添えにしたとは言われたくなかろう」
「そうですね。それともう一つ問題が」
「なんだ?」
「市長が、無防備都市を連呼しています」
「守る米軍は同意していないし、それに例の飛行場拡張、土地の接収は仙台市職員が行っている。理由はどうあれ米軍協力だろ。もう無防備都市は成立しない」
「ですな。では敵に住民避難について書簡を送ります」
「任せる」


6月6日 13:00 仙台市内 仙台国○ホテル 第21軍司令部

「司令官、敵の最高司令官から通信がきました」
「何事だ?スティーブンス」
「仙台市民の避難についてです」
そう言って、彼は通信用紙を手渡した。

発:統幕議長
宛:第21軍司令官

予想される仙台市での戦闘において、当方は住民が被害を受ける事は望まない。貴軍においても同様と信ずる。よって、当方は以下のごとく通告する

1:6月6日 18:00より国道48号線愛子―関山峠間を避難民用道路として開放する。
2:この道路の軍事利用は一切認めない。当方も名誉にかけて利用しないし、貴軍も利用しない。
3:避難民の移動は原則徒歩とする。ただし、病人・老人・子供は車両での移動を認める
4:車両は側面・上面を白色にて塗装せよ。それ以外の車両は通告外とみなし、攻撃を受ける可能性がある。その際の責任は全て貴軍にある

同意するならば、15:00までに返答をよこされたし。同意しない場合、将来起こりうる責任の一切は貴軍にある。

「どうします?」スティーブンスが問うた。「いやに強気な文面ですが」
メルダース中将は即断した。
「飲むしかない。もはやこちらは交渉できるだけの力はない」
事実だった。頼みの第3機械化歩兵は重装備を失って、ただの歩兵となった。北は第25軽歩兵師団、南は第1機甲師団が配置され、仙台市に立てこもっている状態だ。ワシントンはおそらく本土から増援を持ってくるだろうが、それがどこに投入するされるにせよ1ヶ月は先だ。つまり、1ヶ月は耐えなければならないのだ。現にワシントンからは死守命令がでている。
「スティーブンス、同意する旨返電を打て。それと市長に説明してきてくれ」
「イエス・サー」


6月6日 15:00 仙台市役所市長室

「断ります!」それが護憲の返答だった。スティーブンスは自衛隊からの住民避難案を伝え、噛み砕いて説明したのだが。
「なぜですか?このままでは住民に被害がでますよ?」
「いいですか、仙台は無防備都市です。一切の戦闘を禁止しています。それなのに」護憲は一呼吸空けて叫んだ。「市民が避難したら、戦争になってしまうではないですか!」
スティーブンスは唖然とした。この男は何を口走っているのか?
「認めませんよ、認めませんとも。今度こそ私は無防備と貫き、戦争を防ぎます!」


6月6日 16:00 仙台市内 仙台国○ホテル 第21軍司令部

市長が狂いました。
それがスティーブンスの報告第一声だった。
「何を考えているのだ?あの男は」
「理解できません。しかし、自衛隊の攻撃は明後日にも始まると思われます。もはや我々が直接行動するしかないかと」
「確かにな。だが我々は住民に直接強制命令は出せんぞ。できるだけ脅すが、避難要請が関の山だ」
「それでいいでしょう。戦場に残りたがるバカもいないでしょうし、残る奴は自己責任ですから」
「うむ、早速市内の放送局を制圧、市民向け放送を始めてくれ。今なら夕方や夜のニュースに間に合う」



この日の夕刻から仙台市の放送局は制圧され、避難放送が流れ始めた。流石に夜から避難を始める市民は多くなかったが、戦場が近い名取方面の住人や、もはや行くところが無くなった霞の目周辺から追い出された人々は早速夜から移動を始めたのだった。


6月7日 07:00 仙台市役所市長室

「市長!起きてください!」
「ん~、ノーベル平和賞が~」
「市長!起きてください!」
「ん~改憲反対~」
「市長!住民が避難を開始しました!」
「何っ!」
護憲はガバッと跳ね起きた。
「一体どうした?」
「昨日の米軍の避難放送で一部住民が避難をはじめ、それを見た市民が避難を始め、と連鎖反応で市民が避難を開始しました」
「なんてこった・・・・・・・とめなければ戦争が始まるぞ。避難民は今どの辺だ?」
「徒歩ですから、あと2時間ほどで第1陣が折立交差点にさしかかります」
「わかった。仙台無防備都市の会会員を集め、至急折立に向かわせろ。私も直ぐ行く」
「どうするおつもりで?」
「決まってる。市民を止める!」

続く

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2006年6月19日 (月)

無防備都市を実践してみよう!第9回

無防備マン応援連載
無防備都市を実践してみよう!第9回

6月4日 11:00 ホワイトハウス シチュエーション・ルーム

統合参謀本部議長「最悪の事態です」
大統領「どうなっとんのや!」
統「まず、北海道の部隊が本州になだれ込んでいます。頑張って防いでいますが、現地で死守すれば、もって3日。その後突破されてセンダイ・シティに突入されるでしょう。海では敵潜水艦により艦隊の燃料と弾薬を積んだ補給艦が全滅しました。海軍は6月7日には燃料補給の為ハワイに帰港を開始しないとガス欠で沈むそうです」
大「補給艦おくったらええやん」
統「連れて行った補給艦で手持ち全部です」
大「あがっ」
統「それから、偵察衛星が撃破されました。これからはこちらも衛星情報なしです」
大「なんでや?連中、宇宙兵器持っとったか?」
統「それが、太陽風観測衛星などの科学衛星を使ってカミカゼ・アタックをかけてきたようです。続いて第1機甲師団ですが、敵の遅延行動によりウツノミヤ到達は6月7日の予定です。それもかなりの損害を受けて」
大「まとめると、どういうことや?」
統「は、このまま作戦を進めると、当面衛星情報はなく、6月7日には第1機甲師団はウツノミヤ到達。ただし、損害多数で攻撃できず。海軍は空母が撤退。6月8日には敵の航空兵力が回復、センダイ・シティは北から奪回され、6月9日か10日にはトチギの山の中で我が軍は全滅します」
大「どないせいっちゅーんじゃ」
統「作戦を若干変えていただきます」
大「だからといって1年も2年も戦争できへんで」
統「大丈夫です。まず、航空兵力が必用ですから本土からF-22を40機、センダイ・エアポートに駐留させます」
大「40機で大丈夫かいな」
統「F-22は世界最強の戦闘機です。これで圧倒はできませんが、対抗は可能です。続いて第25軽歩兵師団、第1機甲師団ともセンダイ・シティに退却します」
大「退却ぅ?!」
統「落ち着いてください。同時に予備の第3機械化歩兵師団をセンダイに上陸させます。敵はセンダイを奪回するため、今度は攻撃に移らざるえません。都市の防御力というのは大したもので、防御なら第1機甲師団と第25軽歩兵師団で十分防衛可能です。こうして敵が戦力を消耗したら、第3機械化歩兵師団を投入して今度こそ東京まで突破します」
大「そりゃいいが、地図見るとセンダイ・エアポートってセンダイの南の端やぞ、これ危なくないんか?」
統「大丈夫です。市内にカスミノメ・エアベースがあります。小さな飛行場ですが、周囲を接収して拡張、野戦飛行場を作り上げ、以後はこちらを使います」
大「もう一つ疑問、センダイ・シティは無防備都市を宣言しとったな?どうする?」
統「今度はあっちが攻める側ですから、再度無防備都市を宣言する必要があります」
大「宣言されたら?」
統「無防備都市宣言が効力をもつにはその都市を守備する軍の同意が必要です。指揮系統が生きていますから、判断するのは大統領閣下です。同意なさいますか?」
大「アホ!周囲囲まれてどこに逃げるんや!同意できるわけあらへん!」
統「そういう事です」
大「よっしゃ!その計画でいこか」


6/4 17:00 陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地 中央指揮所

「首相、敵は進撃を停止、後退を始めたようです」統幕議長が言った。
「後退?」
「ええ、効果がさっそくでましたな。北も南も仙台に立てこもるようです」
「そうか、なんとか危機をしのいだな。で、これからどうする?」
「まず南側は第1師団、第12旅団、北は第7機甲師団、第2師団で仙台を包囲。6/8をもって総攻撃を開始します」
「敵の第3機械化歩兵師団は?」
「それも対処できます」
「ならばよろしい。日本の底力を見せてやれ」


6月5日 12:00 仙台市役所市長室

護憲は苦悩していた。去ったと思ったアメリカ軍が帰ってきたのだ。CNNの報道では青森にいるアメリカ軍部隊も仙台に退却してくるらしい。
護憲は思った。
部隊が来るのはいい。だが、仙台は無防備都市だ。断じてこの仙台で戦争はさせん!
「市長」
男、護憲。たとえ銃口が向けられても
「市長」
私が仙台を守って、救ってみせる!
「市長ぉ!」
「うわぁ」
「うわぁじゃないですよ。来客です。このまえのスティーブンス中佐です」
「おおそうか、通せ」
来たかベーへーめ。無防備を貫いてやる。
「こんにちは、市長。さっそくですが市内にある霞の目飛行場の周囲3キロ、それから市内58ヵ所の場所を陣地として接収しますので、住民を退去させてください」
「はいぃぃぃぃ!?・・・・・・で、できません。仙台は無防備都市です!」
「わかりました。では責任は市長がとるということで、では」
「ちょ、ちょっと待って中佐。どういう事ですか?」
中佐は、はぁ、とため息をついた。
「いいですか、我々は軍事行動の求める最低限の要求に基づいて接収します。責任とは命令を発した者が負うのです。我々は占領軍命令として貴方に命令します。貴方は命令に従って市民を退去させます。戦争が終われば、当然保証金を支払います。我々の勝利で終わったなら日本政府に請求がいくでしょうな。我々が負けても我々が払います。合衆国は発した命令の責任を取らないという不名誉な行動はとりません。ここまではいいですか?」
「はぁ」
「では、貴方が命令を拒否した場合です。もちろんそれは貴方の自由です。この場合、貴方は命令を拒否したのですから、我々が市民を退去させます。貴方は仙台市民を保護する責務と市を統治する義務を放棄したのですから、当然責任はあなたにありますし、保証金も貴方が払うことになります」
「そんな・・・・・・」
「まぁ、昔と違って無保証というわけにはいかないでしょうから一応はでるでしょうが、こちらが勝てば、命令を拒否した相手にビタ一文だしたくないというのが本音ですな。日本政府にしたって米軍が勝手にやった事だからということで、払わないでしょうな」
「・・・・・・」
「で、こちらが負けた場合、やはり日本政府は米軍が勝手にやった事だからということで、払わないでしょう。我々も負けた上に命令を拒否した相手にビタ一文だしたくない。負けた以上払うでしょうが、とことん裁判で争いますよ。合衆国は裁判の国ですから。交渉は長引き、5年10年たってせいぜい一人5万か10万がいいところでしょう。さてどうしますか?」
「うううう・・・・・・・・も、もう一度無防備都市を宣言します」
「同意できません。大統領命令です。で、どうしますか?」
「ううううう・・・・・・戦時国際法では住民の強制移住や、財産を自分の物にはできないはずで・・・・・・」
「まず、これは戦時下における作戦上最低限の要求です。関係なく私略として財産を永久的に得ようという事ではありません。先ほど申し上げた通り、こちらは保障と責任の説明しています。また、接収ですから時期がくれば返還します。ですから違反ではありません」
護憲は思った。
無防備マンはそんな事言っていなかったよう・・・・・・。


6月5日 17:00 笹谷峠付近

宮城県や福島県、青森県で激戦が繰り広げられている中、山形―仙台の県境でも戦争が始まろうとしていた。森の中に潜むのは第1~4地対艦ミサイル連隊。最新の88式改地対艦ミサイル96発をそれぞれ装備しているから、4個連隊で384発になる。
彼らは仙台沖に潜む海上自衛隊潜水艦『ごましお』からのデータを入力し、静かに時を待った。


6月5日 17:30 仙台港沖

第3機械化歩兵師団は30隻の輸送船と8隻の護衛艦で船団を組んでいた。内10隻は兵員が主体である。
まもなく仙台揚陸というその時であった。
「ミサイル接近!」
すかさず護衛のイージス艦から対空ミサイルが全自動モードで連続発射される。その光景はまるで火山の噴火であった。
間もなく西から飛んできた鋼鉄の矢と、東から飛んできた鋼鉄の矢は、仙台市上空で交差するであろう。


6月5日 17:32 仙台市役所市長室

結局、護憲は要求を呑んだ。占領軍命令であって、自発的に強力したのではないから無防備都市宣言には違反しない。そう考えたのだ。
一応、仙台市のHPで米軍の横暴を訴えたが、くるのは「頑張って」「応援します」「連帯します」といった意味の無い応援メールばかりである。
困ったもんだ。
突然、上空がロケットの爆音で満たされ、直ぐに爆発音と火球で一杯になった。
突然の事に呆然として、護憲は床にへたり込んだ。


6月5日 17:40 仙台港沖

まずCAPのF-18の迎撃を受けて384発が306発へ。護衛艦の対空ミサイルの迎撃を突破したのは306発中84発。そこから個艦防御の火網をくぐり抜けたのが68発。電子妨害で明後日の方向に飛んでいったのを除くと残り42発。88式改の真骨頂はここからである。
あらかじめインプットされていた、喫水の深い重装備を運搬していると思われる輸送船にミサイルが集中。結果、30隻中20隻が撃沈された。第3機械化歩兵師団は重装備のほとんどを失ったのである。つまり、残ったのはただの歩兵でしかない。
こうして、再びアメリカの計画は崩れ始めた。


6月5日 18:30 仙台市役所市長室

「いったいあれはどういうことですか!」護憲は怒鳴った。相手は首相である。
「何か問題でも?」首相はしれっっと答えた。
「問題です!仙台は無防備都市を宣言しています。それなのに攻撃するとは言語道断です!断固抗議します!」
「攻撃なんてしてませんよ?」
「何いっているんですか!ミサイルがパァーッと飛んで市内上空でたくさん爆発したんですよ!」
「ああ、あれ。あれは仙台港沖の船団を攻撃したものです」
「だから、仙台は無防備都市だと何度も」
「何時から仙台市は独立国家になったのですか?」
「へ?」意外な反撃に護憲は意表を突かれた。
「目標は沖合いの船団で、飛んだのは市の上空です。仙台を攻撃していないし、一地方自治体に領空権はありません」
「でもミサイルが爆発して・・・・・・・」
「迎撃したのはアメリカです。こちらに一切責任はありませんな。ミサイルが仙台市の上を通過した。ミサイルが上空で迎撃された。それだけです。それでも苦情を言いたいなら次回はアメリカにこう言ってはいかがですか?攻撃されたら迎撃せずにおとなしく撃たれて下さい、と。こちらとしても楽で助かります。ま、飲みはしないでしょうが。忙しいんで切りますね」
ツーッ、ツーッ、ツーッ、ツーッ。
護憲は思った。
助けて無防備マン・・・・・・

続く

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2006年6月18日 (日)

無防備都市を実践してみよう!第8回

無防備マン応援連載
無防備都市を実践してみよう!第8回

6月3日 15:00 仙台市名取区(注。現在名取市ですが、合併されたという設定です)

翌日、15:00丁度にジョーンズ少将は進撃再開を命じた。次の目標はウツノミヤ。そしてそこに集結中の自衛隊を撃破して東京になだれ込む。明日には東京に突入できるだろう。
先鋒は第1旅団第1大隊A中隊。
名取区、そして岩沼を出てしばらくすると、民家もなくなり道の両側は田畑が増えてくる。その後ろは山地だ。
快調に飛ばしていたその時、突如先頭の戦車が爆発して各坐した。
「クソッタレ!どこのどいつだ!」
中隊長が双眼鏡で見渡すと、3キロ先に黒い点が動いている、焦点をあわせると戦車のシルエットになった。それもすぐ山の陰になって見えなくなる。
「タイプ90か。この距離でぶち抜かれるなんて聞いてねぇぞ・・・・」
おそらく時間稼ぎのヒットエンドランだろう。これ以上攻撃はないはずだ、そう思って進撃を再開しようとした時、今度は最後尾の戦車が爆発する。振り返るとさらに飛んでくるミサイルが見えた。
「全周防御!」



無防備都市受け入れの代償は大きかった。
前進の度、仙台を脱出した陸上自衛隊の攻撃を受けるのである。
槻木到着は18:00。
大河原到着が21:00
白石到着は6月4日 00:00
そして、挙句に白石から先の山間部において、先頭車両を撃破されて国道が一時的に通行不能になってしまったのである。
控えめに見ても6月4日の宇都宮決戦は不可能だった。
だが、失ったのは時間であって、まだ戦力はそがれていない。


6月4日 03:00 青森県今別町浜名 青函トンネル青森側

その全身黒尽くめの男達は海中から上がってきた。音も無く移動すると、歩哨の歩兵に向かってあるものを投げる。音も無く飛ぶ手裏剣。倒れる歩哨。
彼らは自衛隊が誇る特殊部隊オメガ。伊賀・甲賀忍者の末裔ばかりを集めた陸自の精鋭である。
最後の一人の歩哨がようやく異変に気がついたが、あまりに突然の出来事で声も出せない。そして逃げようと走り出す。
隊員の一人が手裏剣を投げようとすると、同僚が止める。目が『まぁ見ていろ』と言っていた。
音も無く逃げ出した歩哨にテグスが飛んで首に巻きつく。テグスを投げた部隊長、音無2佐がテグスを引っ張るとテグスがかかっている木の枝を介して歩哨が中に浮く。しばらくジタバタと動いていたが、隊長がテグスをピンッ、と鳴らすと歩哨は動きを止めた。
青函トンネル守備隊1個中隊全滅。
その間わずか30分。
全滅を確認すると音無2佐はトンネルに向かってトランペットを吹かせた。

パパパ~パッパッパッパッパ、パパパー

それが合図だったのか、ディーゼルの咆哮が近づく。
陸自が誇るメイン・バトル・タンク、90式戦車。
北部方面隊の逆襲開始であった。目標は青森市。
ただ、一部の部隊だけは何故か日本海側を目指して疾走した。この部隊の目的地は山形である。


6月4日 05:00 仙台市内 仙台国○ホテル 第21軍司令部

第21軍司令部は大騒ぎ・大混乱であった。司令部全員がこの作戦のタイムテーブルを信じていた訳ではない。皆長く軍の飯を喰ってるものばかりだ。だからこんな楽観的タイムテーブル通りに動くはずがないと思っていた。しかし、それでも最終的勝利は動かないと思っていた。
そこに、突然第25軽歩兵師団から凶報が入った。第7機甲師団を主力とする陸上自衛隊北部方面隊が、どうやったのか不明だが青函トンネルを突破。第25軽歩兵師団は退却中。
想定外どころがありえない事態だった。
さらに、なぜか衛星情報がこない。
ありえない事態で偵察情報も来ない。パニクって当然である。
そんな混乱の中、第21軍司令官ウィリアム・メルダース中将は決断を下した
「ニシツガルは捨ててかまわん。ノヘジ―トワダ・レイク間で食い止めろと伝えろ!」


6月4日 07:00 某民放 朝のニュース

「・・・・・・次も戦争関連ですが、ちょっと変わった戦争関連のニュースです。この戦争、意外なところに影響がでています。山形県酒田港の遠藤さ~ん」
「はーい、遠藤でーす。ここ酒田港には今、中国の貨物船がたくさん入ってきています。実はですね、戦争の影響で東北産椎茸が首都圏に入らなくなり、椎茸が品薄で値段も高騰しているんです。そこで、中国産椎茸が緊急輸入されているんですね~」
「意外な影響ですね~、お味のほうはどうなんでしょう?」
「はい、見てくださいこの肉厚ぷりぷりの椎茸、国産にも負けません。この椎茸は明日明後日にも関東で食べられる予定で~す」
「ありがとうございました。山形県酒田港からの中継でした。続いて九州で逆立ちする犬の話題です・・・・・・」

6月4日 07:00 三陸沖 海上自衛隊潜水艦しおしお

「艦長、解析値入力完了、発射準備完成」
「よろしい先任。発射始め!」
「はっ、一番二番テーッ!・・・・・・三番四番テーッ!」
彼らの目標は空母ではない。第3機械化歩兵師団が載った船団でもない。艦隊支援艦である。コスト・カットの影響はここにも出ていて、空母と船団には十分に護衛がついているのだが、艦隊を支える給油艦と弾薬補給艦――それぞれ4隻――には、わずか2隻の護衛がついていただけだった。
「ソナーより発令所、うちらの魚雷以外にも魚雷音が聞こえます」
「敵か?」艦長が尋ねた。
「いえ。おそらく味方の魚雷です」
「『たんしお』と『せるしお』だな。同時攻撃に成功したらしいな」


6月4日 07:00 宮城県―福島間の山地

ジリリリン。
「はい、田辺です」
「とうちゃんか、俺だ、高志だ」
「あんれ、おめぇこっただ朝早くどした?山形の自衛隊でなかったのけ?」
「そっただ話あどだ。とうちゃん、2階から山形の方見でけれ」
「おお、ちょっどまで・・・・・・おめぇ今年は嫁さん見つけろやぁ・・・・・よっと。窓がら見てるど」
「なんかいるか?」
「だんだら模様の戦車がおる・・・・・・戦車みてぇな、ちっこい大砲のやつもおる・・・・・・とまってるなぁ、でっけぇ木が倒れて進めねぇみてぇだなや」
「わがっだ、ちょっと待ってけれ・・・・・・・もうしぐ白い煙でるから、どの辺に見えたか教えてけれ」
「見てるんでええのか?・・・・・・お、今白い煙がでだ。あいつらの真ん中だな。ガイジンが突然騒ぎ出してるなや」
「わがった。これから大砲撃つから顔引っ込めてけれ」



中隊長は携帯を閉じた。
「効力射!」
155mm榴弾砲4門の全力射撃が始まった。
3分後、即座に撤収にかかる。
与えた損害。
戦車2両走行不能。歩兵戦闘車1両完全破壊。3両走行不能。戦死10名、負傷者15名。
戦場では直ぐにつかえなければ意味がない。その意味では合計6両の損失である。
今までは戦車や歩兵によるヒットエンドランや、待ち伏せ攻撃で時間は食われるが損害は少なかった。だが、敵は砲兵を繰り出してきた。これからは損害も増えることを意味する。

続く

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2006年6月17日 (土)

無防備都市を実践してみよう!第7回

無防備マン応援連載
無防備都市を実践してみよう!第7回

6月2日 17:00 仙台市各所

そしてジョーンズ少将の予想通り、仙台の無防備都市宣言発効は6月2日12:00だったが実質的な入城は15:00過ぎであった。そして市各所で次のような光景が繰り広げられる事になる。

市内某所ファミリーレストラン
「いらっしゃいませ~、ミルキー○ェイにようこそ~」
M16を担いだアメリカ軍兵士が10人ほどぞろぞろと入ってくる。
「お客様は何名様でいらっしゃいますか~?」
兵士が指先で自分達の数を数えて、両手を広げて見せる。
「10名様ですね~、お煙草はお吸いになられますか~?」
一人が手を上げかけて、残り9人に羽交い絞めにされる。
「かしこまりました~、こちらへご案内いたしま~す」
―――1時間後
手ごねハンバーグセット×2、イタリアン・ステーキセット×2、しめじのミートドリア×3、春のサーロインステーキフェアAセット×2、テンプラ定食×1、本格イタリアン・ピッツァ×4、ソーセージ盛り合わせ×4、全員ドリンクバー、サラダ・バー付き、を平らげた一行はレジに向かった。
「合計24,780円になりまーす」
兵士はニッコリ笑って、1枚の紙を取り出した。
「コレニ、キンガクカイテ、サインシテクダサイ」


市内某所ガソリンスタンド
「はい!いらっしゃいませぇー!、こちらへどーぞー!」
ガスタービン特有の高音のエンジン音を立てながらM1A2戦車が入ってくる。エンジンが切られると、上のハッチがパカッと空いた。黒人の戦車兵がでてくる。
「ケイユ、マンタン、オネガイシマス」
「ありがとうございまーす。満タン入りましたー!」
「ありがとうございまーす」「ありがとうございまーす」「ありがとうございまーす」
「灰皿はいかがですかー」
「コノタンク、ハイザラ、ナイデス」
「失礼しましたー、窓お拭きいたしまーす」
「オネガイシマス、アリガト」
給油が終わると、バイトのあんちゃんがお代を受け取る為レシートを持ってきた。
すると、アメリカ兵は1枚の紙を取り出した。
「コレニ、キンガクカイテ、サインシテクダサイ」


仙台市内 仙台国○ホテル
エレガントなホテルに場違いとしか思えない、銃を抱えた兵士が入ってきた。
「いらっしゃいませ」フロントマンが上品に微笑む「ご宿泊ですか?」
「ハイ、コレカラ、グンシレイブガ、ココツカイマス。200人トマリタイノト、オッキナカイギシツ3ツ、ツカイタイデス」
「ありがとうございます。何日間のご予定ですか?」
「ウーン、イッシュウカンハ、ツカイタイデス」
「かしこまりました。お支払いは前払いですがよろしいですか?」
すると、アメリカ兵は1枚の紙を取り出した。
「コレニ、キンガクカイテ、サインシテクダサイ」


6月2日 17:30 仙台市役所市長室

仙台市長、護憲 守は満足していた。彼の無防備都市宣言のおかげであれ以来市民への被害はない。かれは思った。
無防備都市条例を求めて運動していて良かった。これで市長選も再選確実だ。しかも、これを機会に各地で無防備都市運動が広がって戦争ができなくなれば、戦争は終わってその功労者ということでノーベル平和賞とかもらっちゃうかも。そうなったら英語でスピーチしなきゃな英語習っておこうかな。
「市長、来客です!」突然部下の職員が入ってきた。
「は?!あわわわわ」
「どうしました?」
「いやなんでもない・・・で、来客だって?」
「はい、第21軍司令官副官、スティーブンス中佐だそうです。もうみえてます」
「おお、そうか。通せ通せ」
すると長身の軍人が入ってきた。軍人らしからぬ落ち着いた感じの男である。
「初めまして。第21軍司令官の副官を勤めています、スティーブンスといいます」
「初めまして。仙台市長の護憲 守です。日本語がお上手ですな」
「日本に8年いましたからね。さて、さっそくですが時間がありません。これを市民に通告していただきたい。この瞬間も我が兵士はこれを使っており、このままでは無用のトラブルが起こりかねませんからな」
そういって中佐は1枚の紙を取り出して説明する。
説明を聞いていくうちに、市長の顔は青ざめた。



この書類、正式な名前を『補給物品受領書』という。使い方はこうである。
アメリカ軍兵士が、軍務で必要なものを補給する為に物資―例えばガソリン―を購入したとする。販売した者はこの書類を受け取って、必要な金額を書いてサインする。兵士はそれを見て内容を確認して、兵士もサイン―兵士も場合は認識番号も―する。そして書類の写しは販売者に渡される。販売者は後日、つまり戦争が終わったあとでアメリカ政府、もしくはアメリカ政府が指定したしかるべき組織(アメリカ以外を含む)へ持っていくと、そこに記載されている金額分の現金をもらえるのである。
何を以って補給物品と言うかは諸説あるだろうが、戦争中で作戦行動中の兵士が必要と思って購入する物である。つまり、なんでもあり。これは事実上の軍票であって、実際この戦争の後期には軍票と呼ばれるにいたる。
この方法の一番のポイントは『アメリカ政府、もしくはアメリカ政府が指定したしかるべき組織(アメリカ以外を含む)へ』というところであった。ぶっちゃけ、戦争に勝てばしかるべき組織として日本政府を指定するつもりなのである。余計な金はビタ一文払いたくない。これがアメリカ政府の本音であった。
ちなみにこの書類の受け取りとサインを拒否すると・・・・・・方法はどうあれ現金の支払いは保障しているのであって、それを拒否するのだから支払いの義務は消滅する。
いやいや、販売者が希望する方法で払うのが社会通念上の常識である、と思う方もあろう。
そういう方は是非挑戦していただきたい。銃を持った占領軍に。
ちなみにこの日、その挑戦をしたものは皆無であった。


6月3日 01:00 仙台市内4号線沿いの建材置き場

第1機甲師団第3旅団第3大隊司令部。ベックウィズ少佐はテント内の簡易寝台で横になっていたところを、従兵におこされて不機嫌であった。
「いったいどうした、ラッツ軍曹」
「ナンバーテンです。ボタスキー1等兵はご存知ですね?」
「ああ、司令部付きの通信兵だな・・・・すまん、コーヒーをくれ」
ラッツは近くにあったサーバーからアルミのマグカップにコーヒーをいれ、少佐に手渡す。
「そのボタスキー1等兵ですが、市民を殺害しました」
「なんてこった。正真正銘のナンバーテンだ。やつはどこだ?」
「テント前で待たせてます」
「つれてこい」
黒人のボタスキー1等兵は震えながら入ってきた。まとも顔も上げられないようだ。
「ボタスキー、何があった?」ベックウィズ少佐は促した。
「それが・・・・・1時間ほど前、連絡のため師団司令部にハンヴィーで行きました。で、帰りに道路工事があって警備員にしばらく停車を求められました」
「それで?」
「待っているあいだ、外を見てると若い女が歩いていました。それで俺が声をかけるとしばらくして若い男が大声を出して割り込んできました」
「彼氏か?」
「わかりません。が、女の表情からして違うと思います。それで、男はムボウビとかキュージョーとか言って大声で怒鳴るんです」
「それでやっちまったのか」
「いえ、おれは我慢してたんですが、そのうちそいつは携帯のカメラで俺やハンヴィーをパチパチ撮り始めて、止めろって言ったんですが、ずっとパチパチ取られて不快でした。そして最後にあいつ『ニグロ』って言いやがって・・・・それで気がついたら撃っていました。俺は死刑になるんでしょうか。殺す気なんて無かったんです、少佐」
言い終わるとボタスキーはシクシク泣き出した。
「ちょっとまて、お前そいつが『携帯のカメラでパチパチ撮り始めた』っていったな?証人はいるか?」
「ヒック・・・・・・・はい・・・・・・ヒック・・・・・そこにいた女と警備員が見てます・・・・・・ヒック・・・・・・」
「お前は連絡任務で師団司令部に行った、間違いないな?止めろと制止した、間違いないな?」
「はぁ、そうですが」ボタスキーは泣き止んで、何が問題なのかとポカンとしてる。
少佐は言った。
「ようし、まったく問題ない。戦争中に占領下でありながら作戦任務行動中の部隊の行動を、制止したにも関わらずカメラで取り続けた。これは敵対的な軍事行動、つまり偵察にあたり、無防備都市宣言した占領下の都市の市民がとる行動ではない。よって射殺されるのもやむ終えない」
「本当ですか?俺無罪ですか?」
「ああ問題ない。だがなぁお前、これからは少しは考えて行動しろな?それと師団長には報告はしなければならんだろうなぁ。お前、とりあえずこれから先1ヶ月は休暇なしだ」
「ありがとうございます!」

続く

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2006年6月16日 (金)

無防備都市を実践してみよう!第6回

無防備マン応援連載
無防備都市を実践してみよう!第6回

6月1日 11:30 中○ 北京 国家主席の執務室

壁にかけられた液晶TVが、仙台市無防備都市宣言の内容を映し出していた。
国家主席はこれといって特徴の無い中肉中背の初老の男である。
彼は興味深そうにそれを眺めて目を細めた。表情も特徴が無いが、目には凄みがある。
向かいのソファに座っていた秘書官が言った。
「指示のありました計画、実行は可能だそうです」
「それはよかった」
「しかし、お言葉ですが・・・・・・」
「何かね?」
「この計画の前提条件は起こるでしょうか?戦争は明日明後日にも終わりそうですが」
「君、我々漢民族はね」主席は秘書に向き直った。「長期的に先を読む民族だよ。10年後にその状況が起こるとも限らない。明日明後日に戦争が終わっても、10年後に使うかもしれない。違うかね?」
「はっ、失礼しました」秘書が感服した表情で立ち上がる。
「計画『孔明5621』の準備を行います」


6月1日 11:30 三陸沖 海上自衛隊潜水艦 しおしお

通信室から出て行った艦長は、今度は艦長室に閉じこもって暗号文を解読し、喜色満面で発令所に帰ってきた。インカムのマイクを取ると、艦内放送を始める。
「野郎ども!聞いての通りとうとうアメ公がおっぱじめやがった。先ほどわが艦は目標と命令を受領した。目標はすでにCZモードでソナーで捕らえている。楽な目標だが期限付きだ。しかも僚艦『せるしお』『たんしお』も向かっているから競争だぁ。気ぃ抜くなよ!しめてかかれ!以上だ!」

6月1日 12:00 宮城県大崎市古川近郊(旧古川市) 第1機甲師団野戦指揮所

第1機甲師団師団長リチャード・ジョーンズ少将は苦りきった顔で、野戦会議システムを使って彼の上司である第21軍司令官ウィリアム・メルダース中将と会話していた。
「ジョン、正直なところを教えてくれ。第1機甲は明日の12時以降、センダイ・シティに入城したあとそのまま通過して退却中の敵を捕捉・撃滅できるか?」
「無理ですね、ウィル」
「予想はつくが理由を聞こう」
「まず、燃料と食料の補給が必要です」
この作戦、大統領のコスト・カットおかげで弾薬はたっぷり、燃料はまあまあ貰ったが食料は自前のレーション1日分しか用意していないのである。本来は野戦給食システムを持ち込むはずだったのだが大統領の「日本ならスシからテンプラ、中華、イタ飯、フレンチなんでもそろってるやん。現地調達せい」の一言でこうなったのである。
「食料事情はご承知の通り。燃料も予定通りセンダイで調達しないとガス欠です」
「一応、センダイ・シティで戦闘行動12時間分の燃料を割り振ったはずだが?」
「それがですね、我々はアオモリから脱出した連中の散発的攻撃を受けています。被害は少ないですが効果は無視できません。休息するにしても警戒せねばならず、エンジンは掛けっぱなしです。ご存知のように戦車は停車していても燃料をバカ食いします。それに無防備といっているのは連中だけで神が保障したわけではないですから、まず衛星とプレデター(無人偵察機)で偵察し、その後偵察隊をださなきゃなりません。その間も燃料は消費しますし、兵も疲労します。参謀どもの予想ではセンダイ・シティへの実際の入城は明日の16:00~18:00。進発はさらに24時間後です」
「ヘリで追撃できないか?」
「できないことはありませんが、私はウツノミヤで決戦する時に備えて温存するのが得策だと思います」
「なにかあったのか?」
「ええ、連中たいしたもんです。ジャパニーズ・アーミーはもともと航空優勢を失った下で作戦行動する事を想定して鍛えられています。その為歩兵一人一人が携帯式対空ミサイルを持っていると思って過言ではありません。連中の局地野戦防空能力は異常に高いですよ。アパッチがバタバタ落とされました。このまま投入したらウツノミヤにつく頃にはヘリはなくなります。今のところ私の権限でアパッチは投入を控えています」
「そんなにすごいのか?」
「敵の第9戦車大隊と第9特科連隊、第9高射特科大隊攻撃に向かったアパッチと、センダイの方面隊司令部攻撃に向かったアパッチ、合計24機のうち10機が落とされました。残りも攻撃を妨害されたりで散々です。特にセンダイでは偵察ヘリが対空ミサイル積んで攻撃してくるありさまで。もちろん所詮は局地防空ですから、こちらも損害は与えていますが。退却中の敵はロナルド・レーガンの艦載機に任せては?」
「それがな、海軍も戦力温存をぬかしてきよった。どうやら理由は君が言ったのと同じらしい。すでに8機落とされた。陸軍に対する手前はっきりとは言わなかったが」
「まいりましたね」
「それは私の台詞だよ、リチャード。とにかくベストを尽くしてくれ」
「イエス・サー」

続く

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2006年6月14日 (水)

無防備都市を実践してみよう!第5回

無防備マン応援連載
無防備都市を実践してみよう!第5回

6月1日 09:00 仙台市役所市長室

仙台市長 護憲 守(ごけん まもる 51歳)は市民団体「仙台無防備都市条例の会」を支持母体とする、無所属の革新市長である。
護憲はTVに映し出されたCNNの映像を食入るように見ていた。
盛岡駅前を爆走するM1A2戦車、M2歩兵戦闘車。
(市長はどちらも戦車として認識していた)
CNNによれば今日の12時にも仙台に入るらしい。仙台にもその影響は出ている。
出勤する途中、ヘリの爆音を何度も聞いたし、爆発音もした。消防局の話では市街地に敵味方不明のヘリが何機か落ちたとの事だった。
戦争はいかん。
なぜ話し合いで解決しないのか。
だが、現実に戦争は始まっている。
ならば、私が取る正しい平和の為の行動はただ一つしかない。
護憲はデスクの上の電話機をとった。
プルルルルル。
「はーい、お電話ありがとうございまーす。こちら首相官邸サービスセンターでーす」
派遣と思しき、若い女性特有の黄色い声が耳に響く。
「仙台市長、護憲 守です。首相を出していただきたい」
「おまちくださーい」
(保留音)
「お待たせしましたー。総理はただ今中央指揮所にいらっしゃいますのでー、ただ今電話をお繋ぎいたしまーす。少々おまちくださいませー」
(保留音)
「お待たせいたしました。自衛隊中央指揮所カスタマーセンターです」
自衛隊らしく、さすがに今度は落ち着いた女性の声だった。
「仙台市長の護憲 守といいます。首相に代わっていただきたい」
「どういったご用件でしょうか?」
「うむ。この度の騒動において、仙台市はこれから条例に基づいて無防備都市宣言を行います」
「かしこまりました。少々お待ちください」




会議室に若い女性自衛官が入室してきた。会釈もせず小走りに統幕議長へ向かい、耳元でなにやらつぶやく。
「どうした。なんかあったか?これ以上驚く事はないぞ」首相が言った。
「いえ、朗報です!仙台市長が無防備都市を宣言するそうです。たった今電話がありました」
「あんだとっ!おのれ裏切り者めぇぇぇ、逮捕だ逮捕っ!共謀罪でも強制わいせつでもなんでも、とっ捕まえろ!」
「落ち着いてください首相。これは『朗報』です」
「どこが朗報だ、どこが!」
「いいですか、ジュネーブ条約では無防備都市を宣言するにはその地域を守備する軍当局の同意が必要です。また同意しても、実際に軍が退去しなければ効力を発揮しません。私は24時間後に発効するように無防備都市宣言をするようお勧めします。当然、アメリカ軍にも入城を待ってもらいます」
「ちょっと待て。無視されたらどーするんだ?」
統幕議長はニヤッと笑った。「大丈夫ですよ。仙台市長には、首相もですが、TV・ラジオ・ネット、全てのマスコミを使って世界中に宣伝してください。市民への被害を防ぐ為、ジュネーブ条約尊守の為、とね。アメリカは飲まざる得ませんよ」
「しかしなぁ・・・・ただで都市を明け渡すのか?」
「首相、ついさっきまでは仙台で抵抗できるかすら怪しかったのです。部隊は壊滅するだろうというおまけ付きで。それが無防備都市宣言が実行されれば確実に24時間敵の侵攻は止まる上に、部隊はそっくり残ります。いい事尽くめですよ」
「うーん、しかし占領中なにかあったらどうする?」
「それは無防備都市宣言を行った仙台市長の責任ですな。無抵抗で占領を受け入れようというのですから」
「なるほど」
「それから、交渉する時は48時間の停止を求めてください」
「なんで?」
「交渉術ですよ。最初から24時間では値切られます。最初に48時間といえば、値切って24時間にしてくるはずです」
「なるほどな・・・・・・議長、確かに朗報だ」


6月1日 09:30 ホワイトハウス シチュエーションルーム

国務長官「大統領、大使館経由で通告がありました。センダイ・シティが無防備都市宣言を行うそうです」
大統領「朗報やないか」
国「ただし、軍の退去に時間がかかるため、発効は48時間後、それまで仙台市直前での進撃の停止を求めています」
大「んだと、コラ」
国「それと、まもなく全メディアを使って世界中に発表するそうです」
大「で、どないせい、と?」
国「後々のことを考えると、飲むしかないでしょうねぇ。マスコミ発表の後だと、無視したら世界中から叩かれますし」
大「うぬぬぬ・・・・・しかし計画では仙台でもともと24時間の休息やったな。よし!同意するが停止期間は値切れ!24時間で交渉せい!」
国「はっ、御意のままに」


6月1日 09:30 内之浦宇宙空間観測所

所員A「なんすか?この緊急軌道変更は?」
所長「いいから黙ってやれ」
所員A「しかもこれ・・・・やばくないですか?思いっきり軍事転用なんじゃ・・・・・・」
所長「いいか、これに成功したら、戦争に勝とうが負けようが、好きなだけ惑星探査衛星打ち上げていいそうだ」
所員A「絶対成功させます!」


6月1日 10:30 陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地 中央指揮所

統幕議長は大喜びであった。
「首相!成功です!あちらさん予想通り要求を呑みました。6月1日12:00より24時間、むこうは進撃を停止。こちらは24時間以内に軍を退去させます。いけますよ、現在仙台に集結中の部隊はいっきに退去させます。これで戦力が確保できる」
「よし、仙台市長に伝えろ。官房長官の放送は11:00。仙台市長はその後11:30。無防備都市宣言は本日12:00、発効は明日12:00にしてほしい、とな」
「は、それと内之浦からも連絡がありました。やれそうです」
「よーし、何が何でもあと6日分稼ぐぞ」

続く

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